#03 色弱との出会い
こんにちは。今回は私が色弱と出会った時の話をしようと思います。
色弱と出会ったのは高校3年生の時で、それは思いもよらないタイミングでした。
防衛大学校を学校から受けてくれと言われ、嫌々ながら受験しました。防衛大学校の受験には1次試験と2次試験があり、1次試験は筆記試験と小論文、2次試験は面接と身体検査があります。
私はこの1次試験を突破し、2次試験を受けに自衛隊駐屯地まで行って、面接と身体検査を受けました。
色弱はこの身体検査で発覚します。
ここで行われる身体検査はかなり本格的なもので、学校で生徒同士が検査するようなものではありませんでした。身長、体重、聴力、視力、口腔検査など、検査項目ごとに自衛隊の方が配置されており、防衛大学校を卒業後、実際に自衛隊に入ることを見越した上での身体検査が行われます。
なので体重が身長に対して軽すぎても重すぎてもアウトだし、何かしらの器官に異常がある場合も1発アウト。そして、私がここで発覚した色弱も1発アウトだそうです。
(色弱だと就けない職業はいくつかあるようで、自衛隊、警察官、消防隊、その他多数があげられます)
この身体検査で行われた色覚検査は次のようなものでした。
このようにドット柄の中に数字が浮かび上がるような絵を20〜30枚くらい見せられます。見せられた絵に対して数字を答えていき、試験官の方が1つずつチェックを入れていく形でした。
最初の3枚くらいは色相環の真反対にある色同士で数字と周りの色が構成されていたので簡単に答えられたのですが、その後からは1枚も分からなくなったのです。分かりませんと何回も答えていくうちに1つだけ分かるものが現れ、自信満々に答えると、それは色弱の人にだけ数字が見える絵だったりしました。
そんなこんなで色覚検査で異常が見つかり、待機室に戻ったあと、再び招集されることになりました。
似たように検査で引っかかった人が招集されており、自分を含め6人ほどいました。色弱は男性だと20人に1人いると言われており、その日の試験では120人ほど受験しに来ていたので、統計的には正しいくらいの人数が検査で引っ掛かったのかなと思います。
そして再検査ですが、ここでは更に詳しく検査をするために下のやつが使われました。
グラデーションで塗り分けられたコマのようなものがあり、試験官にバラバラにされます。そしてこれを1分くらいで正しいグラデーションの順番に並び直して下さいと言われました。これを2回ほどやったと思います。
そして検査項目の紙に「強度の色覚異常」と書かれて返却されました。
待機室に戻り、自分のスマホで色覚異常を検索して、自衛隊になれないと書いてあった時は、ぴえ〜と思いましたw
わざわざ受験しに来た時間返せよw
(色弱が発覚した時点で落ちるのは確定になった)
これが高3のときの初受験だったこともあり、あまりにもショックだったため、一緒に受けに行った友達には先に帰ってもらい、1人でラーメンを食べて帰った記憶があります。
これが色弱との出会いです。
まあでもよく考えてみると当時の18年間生きて来た上で何も問題が無かったから自分の色弱に気付かなかったんだから、特に問題が無いと言えば無いですよね。色弱を知らなかったから、気付けないのも仕方がないんですが。
試験から帰ったあと深刻そうに母に話したんですが、まさかあんたが色弱なんてね〜と軽い感じで言われました。というのも、私の母方の祖母、母方の曽祖父が色弱であり、恐らく遺伝だろうとすぐに思ったからだそうです。そう言われても仕方ないかーと簡単には受け入れられないんですけどね。そのあと色々調べて、おませちゃんブラザーズというサブカル系のYouTubeチャンネルに出会い、そのチャンネルで色弱あるあるなんかを見た時にようやく受け入れられたという感じです。
それからというのも、家族から色弱イジりが始まりました。これとこれ見分けられる?とかよく聞かれます。衝撃だったのがヒヨコと思っていたぬいぐるみがペンギンだったことです。クチバシの色のグラデーションが見分けられてなくて勘違いをしていたようです。
それから次々と色弱の影響だったことが発覚していきました。
サッカーでチーム分けをするときのゼッケンで黄色とオレンジが同じ色に見えて、相手にパスを渡してしまったこと。
ぷよぷよの青と紫が同じに見えてずっと顔の表情で見極めていたこと。
パズドラのドロップの見分けがつかなかったこと。
美術の時間、絵を描くだけだと評価が高かったのに、色を塗ると途端に評価が下がったり、奇抜な色合いだねと言われたこと。
趣味のルービックキューブの色合いで見分けにくいものがあったこと。
地理のテストで気候区分を地図帳を見ながら覚えて完璧だったはずなのに、バツだらけで先生に抗議したこと。
上げると意外とあるな〜と思います。
まあ今では個性の1つとして受け入れることが出来ているので何の問題もないのですが、本気で自衛隊や警察官などになりたいと思っていた人が、思わぬタイミングで道を閉ざされる可能性があると考えると、色覚検査は学校で行うべきではないかなと思いました。昔は学校で行われていたようですが、いじめや差別に繋がるといった理由で無くなったそうです。
検査結果としては強度の色覚異常と診断されていますが、世の中には私でも驚くほど重度の色覚異常を持っている人もいます。それに比べると生活に支障が出ていないだけマシかな〜とも思います。
ただYouTubeとかによくある色覚補正メガネをプレゼントする企画を見ると、かなりイラッとします。
まあ付けたことないやつの妬みなんですけどw
わざわざ自分で買うほど安くないので、誰かプレゼントして欲しいですねw1回かけるだけで、あとは放置になる未来しか見えませんが。
ということで今回の色弱との出会いについての記事を終わろうと思います。
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